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天木直人『はじめて公開された日本政府がイラク戦争を支持した裏側』

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日米同盟を維持するために、米国の行う戦争を支持し、加担する日本とは・・・。
以下、天木氏のブログより。
 
 
 
 きょう3月20日は米国がイラク攻撃をはじめてから10年目の日である。
 私にとっての過去10年の日本の対応はあまりにも失望的だった。
 欧米主要国と比べて日本と言う国は、政府も国民も、国をあげて米国のイラク攻撃にあまりにも無反省だったと思う。
 もちろん最大の責任は日本政府の手による検証作業がまったく行なわれなかったことである。
 その間に、2009年には歴史的な政権交代が行なわれた。
 自民党政権の下で行なわれたこの歴史的一大外交政策の是非をなぜ検証しようとしなかったのか。
 民主党政権にそれを行なう勇気があったなら、おそらく安倍自民党政権の復活などありえなかったかもしれないと私は思っている。
 しかし、民主党政権にそれが出来なくても国会議員が本気になれば出来たはずだ。
 ところがイラク戦争検証の議員連盟が鳴り物入りで出来たにも関わらず、その会長である斎藤つよしという民主党議員は、野田民主党政権下の官房副長官となって対米従属外交の片棒を担ぐ事に忙しく、何の検証作業も行う事無く終ってしまった。
 これを見て、私はこの国には未来永劫、米国のイラク攻撃の検証は出来ないと確信した。
 そんな中で、米国のイラク攻撃から10年たったきょう3月20日の朝日新聞が、当時の官房長官であった福田康夫元首相に単独インタビューを行ない、その一端をスクープ報道している。
 この10年間で私が目にした唯一の意味のある検証である。
 彼は言う。
 米国がイラク攻撃をしないで欲しいという気持ちは、小泉首相も強く持っていたと。
 ブッシュ大統領が最後通告の演説をしている頃、英国のブレア首相から、ブレア首相も後議会で支持表明のスピーチをしなければならいので、その前に米国と英国の立場を支持するように日本に表明して欲しいと要請して来たと。
 日本が反対しても米国はイラク攻撃を行なう。そうである以上、反対して日米同盟を崩してはいけないとの信念が小泉首相にはあったと。
 (イラクに大量破壊兵器があったかどうかについては)判断材料を得ようにも手も足も出なかったと
 (日本がブッシュ演説の3時間後に世界に先駆けて支持表明したことで)窮地の米国を救い、日本の米国に対するプレゼンスを高めた。米議会で反対されていた日本とイランのアザデガン油田の契約も、そのおかげで米政府から認めると言ってきたと(筆者註:因みにアザデガン油田は契約後に米国の圧力で契約破棄させられている)。
 イラク攻撃を支持した事によってブッシュ・小泉関係強化は決定的になった。イラク攻撃支持の判断は正しかったと。
 これ以上ないイラク攻撃支持の裏話だ。
 私が想像していたとおだった。
 朝日新聞はとてもよい検証をしてくれた。
 しかし、福田元首相はこのような事を軽々しく口にすべきではなかったと思う。
 小泉首相なら聞かれても決して何も答えなかっただろう。
 福田康夫という政治家は自民党政治家の中では正直な人なのだろう。
 因みにきょう20日の毎日新聞は参戦を拒否したドイツの当時の首相であったシュレーダー氏(68)の次のような言葉を掲載していた。
 イラクに大量破壊兵器は存在しないと確信していた。当時野党党首(メルケル現首相)の主張どおり参戦したら、ドイツ軍は今もイラクにいただろう。参戦を拒否したことは正しかった・・・

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