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天木直人『樋口広太郎元アサヒビール社長の訃報記事が封印したある事実』

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細川氏が都知事選立候補を表明とのこと。
天木直人氏は、細川氏は元祖「憲法9条安全保障政策論者」であり、私が彼に期待するのはまさしくその外交・安全保障政策である、と述べています。そして、細川氏と言えば忘れてならないのが日米同盟よりアジアの集団
的安全保障体制を優先させたあの樋口レポートである、と言われていますが、ネットではなかなかみつからないので、以下、樋口レポートを作成した樋口広太郎氏が亡くなった時の天木氏のブログを転載させていただきます。

 
 
2012年9月18日
 
 
 アサヒビールの元社長である樋口広太郎氏が逝去された。
                                      合掌
 それをきょう9月18日のメディアが一斉に報じている。
 その訃報記事はどれも彼の功績の数々を事を同じように書き立てている。
 住友銀行の重役から畑違いのビール会社社長に転じた後、スーパードライをヒットさせてアサヒビールをビール業界のトップにさせた。
 歴代の内閣で特別顧問や各種の政府諮問会議、懇談会などの議長、座長をつとめ政策づくりに貢献した。
 ネアカの人柄で皆をひきつけた、などなど。
 しかし、そのような樋口氏の功績の中で決して書かれないものがある。
 それは樋口氏が94年、細川護煕首相(当時)の私的諮問会議「防衛問題懇談会」の座長となり、防衛計画
の大綱見直しに着手し、『樋口レポート』と呼ばれる報告書を出したことだ。
 これについて書いたのは私の見るところでは朝日だけだった。
 ところがその朝日さえ決して書かない事がある。
 それはこの樋口レポートが、日本の安全保障を確保するには日米安保よりも東アジアの集団安全
保障体制の構築を優先させたという事実だ。
 これが米国を刺激した。
 日本政府を狼狽させた。
 樋口レポートに危機感を抱いた米国と日本政府は、すかさず冷戦後のあらたな日米同盟構築を
打ち出した。
 いわゆナイレポートとそれを具現化した日米同盟再定義である。
 それが今日に続く世界平和のための日米軍事同盟、すなわち米軍再編に対する日本の絶対服
従、日米軍事一体化である。
 樋口氏は日米両政府にとって好ましくない人物という烙印をおされ、かつて石原慎太郎とともに「NOといえ
るジャパン」を共著したソニーの盛田昭夫氏と同様に、失意の下にメディアから消えていった。
 日米同盟に少しでも疑義を挟む者は、それまでどんなに影響力のある者であってもたちどころに
排斥されるのである。
 そしてその事は死してなおつきまとうのである。
 樋口氏の訃報の記事が教えてくれるもっとも重要な事は、誰も書かないこの厳然たる事実である・・・
 
                                   略

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                                ・・・以上・・・
 
 
 当時の細川氏の考えは、現在の安倍首相の外交・安保政策の否定であるということでしょう。
 前回の都知事選には、私も、宇都宮氏に投票しましたが、政見放送では、殆ど下を向いて原稿の棒読み、
 といった印象で、いくら正しいことを言っても、なかなか都民には伝わらないように感じました。良き弁護士
 さんとは思いますが、やはり、政治家には余り向いていないような。
 20年前の細川元首相の記者会見は、しっかり国民と目をあわせながら、何とか国民に理解してもらいたい、
 との思いが感じられました。都政だけでは国政に決定的影響は与えられないでしょうが、この国を変える契
 機となる可能性は十分孕んでいると思います。

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