何とか無事亡命先にたどり着ければよいのですが。
以下、天木氏のブログより。
まるでドラマの世界を見ているような物凄い逃亡劇を我々は今目の当りにしている。
米政府による情報監視体制を暴露した元CIA職員エドワード・スノーデンのエクアドル逃亡劇の事である。
パソコン4台に詰まった極秘情報を持って逃亡したスノーデンを米国政府はなんとしてでも帰国させ、拘束しなくてはならない。
ついに米国のケリー国務長官は恫喝まがいの言葉を口にした。米国の要請を無視して逃亡に手を貸せば、その国と米国の外交関係は厄介なものになると。
それほど米国にとっては深刻な事態なのである。
果たしてスノーデンが無事にエクアドルに亡命することでこの逃亡劇が終わるのだろうか。
私はもちろんそれを願う。
しかし現実にはそう簡単に逃亡劇が私の希望通り終わるとは思わない。
もしスノーデンが亡命してしまえば米国の国際的権威は低下する。米国は関係国に圧力をかけて
それを阻止しようとしているだろう。
壮絶な外交的駆け引きが水面下で行われているだろう。
私はこの逃亡劇をみて、かつて映画「遠い夜明け」で見た南アフリカ共和国の有力紙デイリー・ディスパッチ紙の白人記者ドナルド・ウッズの英国への亡命劇を思い出した。
あの時は隣国レソトやカナダの協力で南アフリカ白人政権の裏をかいて無事脱出し、ウッズが亡命先の英国で南アフリカの黒人差別の現状を告発して、後のマンデラ政権実現につながった。
果たしてスノーデンの亡命が米国を変え、国際政治を変える事につながるのだろうか。
大げさに言えばそこまでの意味を持つスノーデンの逃亡劇なのである(了)