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「福島原発行動隊」渡米報告

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yajiumaさんのブログに、「福島原発行動隊」の最近の活動が紹介されていましたので、以下、yajiumaさんのブログより。
 

2012年10月19日(金)

 「福島原発行動隊」渡米報告

9月30日、「日大930の会」が東京・本郷で開催された。
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日大のO氏から「福島原発行動隊」として渡米した報告があったので、今回はその報告を掲載する。

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『 (略) この福島原発行動隊は、被爆の影響が少ないシニアが、若者に被爆をさせないために、現場の作業、事故の収束をやっていくということで呼びかけたものです。Yさん、ちょっとお立ちになっていただけますか。(拍手)実はこの方が2011年4月に呼びかけて組織化されたものです。
Yさんご自身は、60年安保の時、社学同の副委員長だった方です。福島原発行動隊は、60年安保の世代と70年の世代で構成され、さらに賛助会員としてもう少し若い人が加わり、行動隊は約700名、賛助会員は1200~1300名、という組織で現在もやっております。
今回、私は理事長のYさんのカバン持ちでアメリカに行ってきました。何で我々がアメリカへ行ったのかと言いますと、私たちは昨年来、福島第一原発に「入れさせろ、自分たちの作業をやらせろ」という申し入れを、政府や東電に対してしてきましたが、ことごとく無視をされてきました。そういう経緯の中で、我われが福島第一原発に入れない障壁は何なのかという疑問に対して出てきたのが、産業構造の問題だったり、政治の問題だったり、利権の問題だったわけです。
そういうような障壁を崩すためには、「何故俺たちを福島第一原発に入れないんだ!」ということを、社会に対して、政治に対して、経済に対して働きかけをしなくてはいけないんじゃないか、というようなことで、主に国内でロビー活動や広報アクションをやっていたんです。けれども、国内の政治に対してやっていても成果が出ない、ということで、世界からも日本政府に対して圧力をかけていくようなことをしなければいけないのではないか、と考えた訳です。
そこでの私たちのアッピールというものは、先ほどのHさんのお話とも通じますが、東電から福島第一原発を切り離して、そこの事故収束作業から廃炉に至る作業については、国家プロジェクトで行うべきだということです。今は政府も東電も国有化したと言ってはいますが、あれは嘘でありまして、政府が事故収束の責任を回避しているにすぎません。そんなことではなくて、東電を福島第一原発から切り離して、福島第一原発については、とにかく事故を収束させて廃炉にするまでを、東電のようなところにやらせておかず、国が独自にプロジェクトを創りやるべきだ、ということです。もちろん、これまでの事故の責任は、東電に取らせなくてはいけないことですけれども。
その国家プロジェクトについては、世界の経験や知識や技術をそこに結集させて、事故収束の作業に活かすということが必要であろうと思います。
今、現在、ネックになっております多層下請け構造というものを、ここの国家プロジェクトでは当然受け入れずに、新たな体制の下、全体を貫いたプロジェクト・マネジメントというものを置いたうえで、業務や被爆の管理をしていく、というようなことです。
更に、これは一番大事な事であると思うんですけれど、独立した透明性を担保する形で、国際的な評価委員会を設置して、常に情報を世界に対して開示していくということです。
この4点というものを私たちの骨子として、世界にというか、アメリカにとりあえず、今年の7月28日からサンフランシスコからシカゴ、ワシントン、デラウエア、ニュージャージー、ニューヨーク、ブリンストン、そしてロスアンゼルスと、25日間に渡って講演をして回ったんですね。

実際には17回の講演をしています。講演に参加された方は900名弱ですが、アメリカの平和行動をしていた方とか、人権の保護の関係の方とか、反核の方、軍縮の方、そして正義を守ろうとする方、女性の参政権をやっていた時代からのグループであったり、地球環境保全活動のグループの方々が協賛してくれました。「フクシマレスポンス」という、今年の6月くらいにアメリカで誕生した組織が、そうしたグループを繋いで、ネットワークを構築し、彼らが用意してくれた施設で、山田さんが英語で講演をされてきたわけです。
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そこで見えてきたこと、知ったことを以下にかいつまんで言います。
まず、アメリカはコミュニティの中にネットワークがきちっと構築されている、ということですね。これは宗教のネットワークがベースにありますが、その他、今、日本でもある程度出てきましたソーシャル・ネットワークですね、そういったものが結構充実し、それをもとに情報伝達がされているという実態ですね。
今回の私たちのアメリカ講演も、そうしたネットワークを通して彼らが訴えることによって、点と点が繋がって、それが線になり、面になっていくような、そういう形で行動することができたんですね。
25日間、私とY理事長がホテルに泊まったのは1泊でした。あとの24日間は、アメリカのそれぞれのグループの関係者の方とか、もしくはオンラインで手を挙げて下さった方のホームステイでした。会場への行き返りや、空港とホームステイとのトランスポーティションも、全て向こうの方のお世話になりまして、私自身は出国時に2万円をドルで替えたのですが、その約250ドルが使い切れなかったほどに、向こうの方々のお世話になりながらツアーすることができました。
そういう意味でネットワークの凄さを痛感した次第です。
また、コミュニティの中に多様な拠点が構築されている、用意されているということにも驚きましたね。やっぱり、宗教の場合は教会というものが地域のコミュニティとしてきちっと機能していたり、日本にも区の何とかセンターというものはありますが、アメリカはとても多様な形で整っており、時には大学の講堂を使わせていただいたりとか、コミュニティセンターの集会場を使わせていただいたり、そういう形でお世話になりました。
更に、コミュニティごとに多様で独立したメディアが存在していること。先ほども言いましたように、TV、ラジオ、コミュニティペーパー、オンラインサイト、そういうものが、それぞれの地域に根付いていたのですね。
あと、印象に残ったのは1960年代の各種運動の繋がりというものが、今も強く残っている。黒人問題であったり、ベトナム戦争の時の反戦運動の人たちです。
これは私たちとして見習わなければいけないかな、と思ったのですが、コミュニティと市民と議員との距離がとても近かった、ということも印象的でした。
私たちがいろいろな議員と会談を持つことが出来たのも、そういった運動家の方々から議員を紹介していただいて、そういう機会を作っていただき実現したわけです。私たちはどちらかというと、議会制民主主義というか今まで選挙には無関心で、あまりそういう地域の政治や国政に対するロビー活動はやってこなかったですよね。最近ようやく脱原発運動などを通して彼らとも近くはなってきていますが、やはりそういう結びつきも必要なのかなと感じました。
次に、良識的な人々の間では、「広島・長崎」に対する罪意識というものを、今なお強く抱いていたように思います。たまたま、私たちが行ったタイミングが、8月6、7日のその周辺だったものですから、特にそう感じたのかもしれませんが、そういうような意識の中で「福島」も重ね合わせていたように思います。
米国内で、福島第一原発の事故情報というのは、どういう風に広がっていったかというと、極めて情報は限られていまして、本当に一部の偏った情報しか皆さんお持ちではなかった。したがって、全米レベルでの原発事故の認識は、さほど高くなかったように思います
大統領選挙の関係で原発問題を話題にしたくない、というのはオバマにしてもロムニーにしてもあったのかもしれませんけれども、メディアもあまり積極的には取り上げていませんでした。

また、西海岸側と東海岸側では、その温度差が違っていました。西海岸については太平洋岸なので、特に北カリフォルニアはアメリカの食糧庫でもあるので、食糧危機という観点から高い危機意識を持っている人がいました。一方、シカゴだとか、内陸部や東海岸側の方は、どちらかというと、スリーマイル島原発の事故だとかで、原発事故に対する意識は高かったのですが、西海岸側のように生活感覚の中でとらえるというより、イデオロギー的なところで意識されているように思いました。
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ただし、これもある方の意見から私たちが感じたことなのですが、アメリカ政府はエネルギー戦略において2枚舌を使っていたのではないか、ということです。原発推進ということは今でも言っている訳ですけれども、実はアメリカはスリーマイル島原発事故以降、ウエスティングハウスであるとか、ゼネラルエレクトリックの原発関連部門を日本の企業に売り放した時点で、脱原発ということまではないにしても、原発依存というところから政策転換を既に裏側ではしていたんではないか、と感じました。
今なお、アメリカではこの8月に発表されたアーミテージ・リポートなんかでも、原発推進ということを言っていますが、これはあくまで個人的な意見ですが、日本に原発推進事業を肩代わりさせようとしているのではないか、と。
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そういう事々から見えてきたことを、以下にまとめてお話しますね。
まずは、福島第一原発の中に問題として多重下請けだとか、スキルの欠如だとか人手不足だとか、いろんな問題がある中で、ヤクザの問題、部落の被差別問題、地元人材雇用の問題、現場作業者のモチベーション低下などがありますよね。東電という会社自体としては、経営状態の悪化から福島第一原発の事故対策に費やすお金を渋っている訳ですね。
福島第一原発ににつぎ込んでいる東電の社員数が、かなり少なくなっていったり、事故収束につぎ込む予算も少なくなっているという問題がある。
更に、政府がその東電に対して、国有化と言いながら、福島第一原発の事故収束作業を丸投げすることによって、自分たちで事故の責任を取ろうとしない
更にその政府に圧力をかけているのは、財界であったり、原発依存を推進を固持させている原子力ムラだったり、するわけですね。
もっと言うならば、その裏に原発推進を日本に押し付けている米国というものもいる。このような構造が見えてきて、今、Yさんと帰国後に議論しているわけです。
そういう中で、私たちはどうしたらいいかというと、こうした障壁というものをきちっと見極めた中で、見えない敵の正体というものを把握し、グローバルな視点で味方を増やしていく、そして一つひとつの課題解決を図っていくという、言葉で言うと簡単なんですが、大変な時間もかかるけれど、そういうことが必要なのかな、と思っています。
そのためには、先ほど言いました4つの要求というものをきちっと伝えていく、いろんな形で伝えて仲間を募っていく、そして政府に圧力をかけていく、そういったことが必要なるだろうと考えています。それで米国アクションというものを位置づけた訳ですね。
更に、今、Yさんの方でやろうとしているのが、EUの方面、ヨーロッパの方にも、同様の形でやるべきであろうということで、準備をしております。

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