今日は、小沢一郎氏の70回目の誕生日ということですが、氏や故江藤淳氏の『保守本流』の憲法論について、以下、山崎行太郎「毒蛇山荘日記」より。
江藤淳の「憲法論」を読む。江藤淳は自死の一二年前まで、かなり過激に憲法改正論を主張していた。江藤淳の憲法改正論には、 米軍全面撤退論や自主防衛論が含まれていた。江藤淳は、頻繁に対談などを繰り返していたようだが、その相手の一人が小沢一郎だった。その頃、軽井沢の江藤淳の別荘で行われた「江藤淳/小沢一郎対談」の根底にあるのは、二人に共通する「憲法論」だといっていい。彼らの憲法論は、憲法論の成立、根拠、原理を問う。小沢一郎が、憲法を自明の前提としてしか思考できない日本の官僚や、日本のマスコミ、あるいは憲法を改正したくないアメリカ・・・に狙われたのは、小沢一郎が、沖縄米軍基地の「海外移転論」や「憲法改正論」「自主防衛論」を主張し続けたからだとおもわれる。平野氏によると、平成6年ごろから、江藤淳と小沢一郎は、とない某所で勉強会を開いていたそうであるが、おそらくテーマは「憲法」だったろう。小沢一郎の憲法論には、明らかに、江藤淳の影響がある。言い換えれば、憲法論で「意気投合」していると言っていい。実は私も、この頃から江藤淳とかなり親しくなり、勉強会などで頻繁に交流するようになったが、江藤淳が、小沢一郎と勉強会を開いていることは知らなかった。江藤淳は憲法改正について書いている。≪だが、十三年前から改憲を唱えつづけてきたのは、単にこの憲法が国際情勢の変化に堪え得ないという理由だけからではない。日本の現行一九四六年憲法の根底には、一つの虚偽がある。その虚偽虚偽と認めて、その事実に直面しない限り、日本人自由な精神によってものを考える人間に、まず到底なることができないからである。 ≫江藤淳は、1979年(昭和54年)、ワシントンのウィルソン研究所で、米占領軍が行った日本のマスコミ検閲の調査研究を行なっていた。そこで、江藤淳は重大な発見をする。国立公文書館分室に収められてい占領軍関係資料の中から、一葉の資料を発見した。それは、占領軍当局の検閲方針だった。つまり、そこには、第三項と第四項で、次の事が禁止されていた。第一に、現行憲法はアメリカ人が日本統治のために起草した法律文書であること・・・。第二に、その事実を厳格に秘匿すべきこと・・・。ところで、江藤淳の言う現行憲法の根底に潜む「虚偽」とは、このことである。日本政府も、マスコミも知識人も、この事実を隠蔽したまま、あたかも自由な政治活動や言論活動を展開してきたかのように振舞っているが、はたして、それでいいのか、と問題提起する。そして、江藤淳は、この虚偽に注目して、この虚偽を隠蔽した上に成立している戦後文学や戦後思想など、要するに、戦後的なもの全般を批判し、次のように結論づける。≪だが考えてもみるがいい。国家の基本的事実を、そのままに明らかにできない言論が果して"自由"な言論だろうか?検閲と秘匿を原点とし、嘘の皮に嘘を塗り固めた現行憲法の"平和主義"なるものが、果たしてどのような平和の維持に役立つだろうか?≫![Comments Comments]()
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