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武田邦彦『【時事】 節約時代の終わり  東京でのオリンピック』

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バブル崩壊後の日本の政策は、国民の生活を更に悪化させるものだったと思います。もし東京オリンピックに希望を見出すとすれば・・。
以下、武田先生のブログより。
 
 
 
 

東京でオリンピックを開催することが決まった.2020年である.
かつて「1930年から1960年までが戦争と復興の時代」、「1960年から1990年までが高度成長の時代」、そして「1990年から2020年までが環境と後退の時代」と講演し、次の図を使っていたことがあった。
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懐かしい! この図を使い始めた頃はまだリサイクルが始まった頃だったが、「2020年になったら、誰もが「環境かんか関係ない」という時代が来るだろうと言い、強いバッシングを受けた。当時は「環境最優先、リサイクルの時代」だったからである。
それから23年。東京でオリンピックが開催され、「ドンドン消費が増える」とテレビが連呼し、新聞には「土建時代の再来」と書いている。つい「おいおい、僕を批判したの忘れたの?」と言いたくなった.
日本は1990年から真っ暗だった.バブルは崩壊する、官僚がお金を使い赤字国債は増える、「失われた10年」があり、環境など何も悪くなっていないのに補助金が欲しくていろいろなものがでっち上げられた.
そのおかげで、若者は元気を失い、生産効率は下がり、研究は御用研究ばかりとなり、工場は海外に建てられて就職できなくなった。また世界にもあり得ないような「節電」とか「節約」という政策が横行し、役人だけにお金が行くシステムもできあがっていった。
しかし、歪みは長く続かず、不正はやがて明らかになる.環境は悪くなく、若者は就職に困り、科学を目指す人が減って日本の工業は先行きに暗雲が立ちこめている.だから、日本が鎖国しない限り、日本の活力を取り戻さなければならない。
一般の国民より10倍もの所得があり、ふんだんに電気や高級品を買っている人たちが、一般国民に節約を勧めるほどおかしな事はない.
でも、東京のオリンピックをこれほど歓迎するとなると、それは節約の時代、馬鹿らしい我慢の時代が2020年に終わりを告げることを意味している.オリンピックにでる若者だけが「頑張る」特権を得るわけではない.オリンピックにでようと出まいと、若者は「世界でトップクラスになるように」頑張る環境を得ることができるだろう。
大人が子どもをイジメる時代、東京だけが日本人の努力を奪う時代の終わりであって欲しい.
(平成25916日)

 
武田邦彦

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