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Channel: 無心
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天木直人『北朝鮮のミサイル発射についていま米国が考えていること』

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確かに、日本や韓国の過剰反応こそ危険、と思います。
以下、天木氏のブログより。
 
 
 今度の北朝鮮の瀬戸際作戦について、米国は実に冷静で現実的な対応を考えていると思って感心した。
 そのことについて書いてみる。
 私が注目したのは4月9日の読売新聞が米紙ニューヨークタイムズ紙を引用して書いている次のような記事だ。
 すなわち北朝鮮がミサイル発射に踏み切れば数秒以内にその軌道を計算し、それが韓国や日本、および米領土グアムを狙ったものであれば北朝鮮のミサイルを直ちに迎撃する。しかし、それが公海に向かって発射されたものだと確認されれば、たとえそれが日本の領空を通過して太平洋側に向かっても迎撃はしない、たとえ北朝鮮が発射台にミサイルを据えても、核弾頭が搭載されていない限り、ミサイル攻撃は控える、というものだ。
 これを要するに核弾頭を積んだミサイル発射が確認された時にのみに即刻、厳しく対応する、その場合はどのような悲惨な結果になろうとも瞬時に迎撃する、ということだ。
 これは一見するととてつもなく危険な対応のように思えるが実はその逆である。
 米国は韓国や日本のようにいたずらに北朝鮮のミサイル発射をおそれて強硬姿勢になることを戒めているのだ。
 この事は4月9日の朝日新聞の記事と平仄があう。
 すなわちその朝日の記事は、米オバマ政権は、「アクセル」を強く踏みすぎて緊張が危険な域まで高まった、と言う判断から、軌道修正を図っているという。
 これ以上いたずらに北朝鮮を挑発することは控える。しかし、北朝鮮がそれでも核弾道を搭載したミサイルを日、韓、グアム(米国は本土への攻撃能力を北朝鮮が持っているとは考えていない)に向かって発射するなら、核戦争も辞さずに、放射能被害も辞さず、北朝鮮を叩き潰すということだ。
 米国はここまで覚悟をしているのである。
 これは最悪の事態であるが、より最悪な事態を避けるためには止むを得ないというわけだ。しかもその場合でもアジアは混乱するが米本土は無傷だ。
 米国のこのような覚悟を知った上で北朝鮮が自滅攻撃をするとは思えない。
 しかし逆にこの米国の覚悟を知れば、北朝鮮が核弾頭を搭載しないミサイル発射を公海に向けて10日にも発射する可能性は大いにありうるということだ。
 日本上空を超えて太平洋の公海にミサイルが10日にも発射されることもありうる。
 その時、日本や韓国が大騒ぎしても米国は冷静だろう。
 最も危険な事は、日本や韓国が過剰反応をして不測の事態が起きることだ。
 いま米国が必死で行なおうとしていることは、そんな日本や韓国に対して米国の作戦を徹底させてつまらない事をするなと釘を刺しているに違いない。
 いまのところ北朝鮮情勢は米国がコントロールしている。
 米国の本当の懸念は、これまでも、これからも、イランの核開発でありイスラエルのイラン攻撃である(了)

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