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封印された原爆報告書

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8月6日に放送されたNHKスペシャル『原爆投下活(い)かされなかった極秘情報』を見て、『原爆投下は陸軍上層部は知っていた!』の記事を書きましたが、それと関連して、昨年の8月6日に放送された「封印された原爆報告書」のことを思い出しました。
以下、その番組について記事を書かれていたふじふじのフィルターさんより。
 

8月6日放送NHKスペシャル「封印された原爆報告書」を見て。

8月6日放送NHKスペシャル「封印された原爆報告書」には、本当に驚いた。
 ○NHKの番組解説
アメリカ国立公文書館のGHQ機密資料の中に、181冊、1万ページに及ぶ原爆被害の調査報告書が眠っている。子供たちが学校のどこで、どのように亡くなったのか詳しく調べたもの。200人を超す被爆者を解剖し、放射線による影響を分析したもの…。いずれも原爆被害の実態を生々しく伝える内容だ。報告書をまとめたのは、総勢1300人に上る日本の調査団国を代表する医師や科学者らが参加した。調査は、終戦直後から2年にわたって行われたが、その結果はすべて、原爆の“効果”を知りたがっていたアメリカへと渡されていたのだ。
なぜ貴重な資料が、被爆者のために活かされることなく、長年、封印されていたのか? 被爆から65年、NHKでは初めて181冊の報告書すべてを入手。調査にあたった関係者などへの取材から、その背後にある日米の知られざる思惑が浮かび上がってきた。
 私は、被曝者がモルモットのように調べられただけで治療は受けず放置されていたということは知っていたが、それは米国が行ったものと今まで思っていた。
 なんと、広島原爆投下2日目8月8日には、陸軍省医務局調査団を組織して、被爆者の調査を開始していた。それは、原爆を落としたアメリカが、原爆投下直後の被害の様子効果を最も知りたいだろうと考えたからであり、投下された国にしか投下直後の調査ができないから投下直後の調査をして米国に進呈し、戦争に負けたものとして少しでもいい心証を得るための外交カードとしたいという動機からだった。つまりは、国体護持のため、被曝者を利用したということになる。
 米国にとって最も知りたいことは、「原爆がどれだけの範囲にいる人を殺すことが出来るか」ということだろうとも考えており、まとまった数でそれぞれ学校へ作業に出ていた18000人の子供たちを爆心地からの距離と殺傷力を表す「死亡率曲線」のサンプルにしていた。それがその後のアメリカ核戦略の基となり、このデータによって、モスクワ6発、スターリングラード5発、と必要な原爆数を算定したと聞いて、もう、何と言っていいのか、言葉を失ってしまった。

 国民には「お国のために」と愛国心を強要し、戦争に是非もなく奉仕させた国が、ここまで、国民を利用し尽くすとは、被曝者だけでなく戦死者、戦災で焼け死んだ方々、すべての国民にとって戦う値打ちなどみじんもありはしない戦争だったと言えるのではないだろうか。国体とやらの無謀な戦争に国民は付きあわされ徹頭徹尾利用されつくされただけではないか。自国の子供たちを原爆で殺されて、子供たちの死亡を数え上げてグラフにして殺した国に進呈する。これが、「国体の護持」のための米国への命乞いだったが、これを納得できる国民が一人でもいるのだろうか。
 この研究を引き継いだ日系アメリカ人から、「アメリカにとって極めて重要な軍事情報でした。まさに日本人の協力の“賜物”です」との絶賛をうける。「サクラのようにパッと散れ」と兵隊には死ぬことを美と洗脳した張本人が、国民をモルモットにして戦勝国に命乞いをする。日系アメリカ人が感謝して研究を引き継いだというのも、複雑な思いがする。
 原爆が人体に与える影響も徹底的に調べていた。被爆者に少しでも役立つならと検体に応じた妹?の内臓はスライスされて、放射能の測定に使われただけのようだ。少しも被曝者に役立つことはなかった。戦争のためのデータとなっただけだった。

 国は、入市被曝者を認めなかったが、報告書には入市被曝者についても記述があり、国は知らないはずがなかったということもわかった。

 被曝者が調査されるだけで治療を受けることがなかったのは、治療や薬の影響を受けることなく自然に放置していて何日生き延びるかということも調査項目に入っていたのではないだろうか。
 ま、こうして戦争を引き起こした国体は、原爆を落とされ亡くなったり苦しんだりしている人々を踏み台にして米国を喜ばせる調査報告をし、無事、戦後も存続し、今も、日本の中枢にいるということもわかる。
 国体とは、一体何なのか、漠としているが、天皇制官僚制度全体を言うものらしい。これが、今も超法規的に国民の上に君臨している。この中心となる核が、一体どこにあって、どういう指令系統が働いているのか?今も、国体の邪魔となる政治家が冤罪で逮捕され、葬り去られていくという現実がある。この報告書を入念に調べ上げていくと国体の本体に迫ることができるかもしれない。
 今では、処刑された東条英機他7人のA級戦犯も、実は国体の身代わりに捧げられたスケープゴートではないかという気がしてきた。なにせ、国体存続のためには、国体以外の国民は虫けら同然いかようにしても処理してよい存在だ。
 日本では、戦争についての総括はウヤムヤにされてきたのも納得できる。総括などできるはずがない。今は、ますます米国にへつらいながら、国民の財産を奪っては米国へ上納に励んでいる。彼らにとって大事なことは、国民には超然として支配を続けることであることらしい。そして、国民が彼らの決定に背くことは、現在も一切許されない。


 国体の核がどこにあるかと頭をめぐらすと、陸軍省医務局を動かし調査団を組織することができるところとはどこかとか、敗戦後の天皇のダレスとの二元外交が浮かんでくる。
 反戦な家づくりさんによると、「国体」とはズバリ天皇である。これにはハタとひざを打つ。戦前から戦後のしばらく昭和天皇の時はそうだったに違いない。しかし、今は、今生天皇が「国体」の「主体」とは考えにくい。天皇の近くに民主主義を潰し象徴官僚制度の安泰を図ろうとしている組織なり人がいるのではないかと思っている。


 最後に、

 8月6日に広島に原爆が落とされ、二日後、8日には、陸軍医務局が、調査団を組織して広島へ入り調査を開始している。この迅速さには違和感がある。調査団を組織するだけでも数日はかかるだろうし、移動にも1日はかかる。日本は、広島に原爆が落とされることを知っていて、調査団は組織されて準備万端整えられていて、落とされるのを待ち構えていたのではないかという疑惑も湧いてくる。                     

       
  


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